灰谷健次郎さんの作品ですリボン

小学校5,6年の担任が「太陽の子」を読んでいて児童の私達によく灰谷さんの作品を紹介していました。灰谷さんは元小学校教師だから教育に関する作品が多い。この「少女の器」は教育の側面は少ないけれど、その部分に触れる時はかなりするどい視点でかかれています。

主人公、絣(かすり)のBF、上野君の友達「なっちゃん」の話があるのだけど、なかなかいいです。

なっちゃんは人の前に出ると発作が出たり、疎外感が強くて、実際に疎外されたことも多かったという経験を持つ高校生。絣や上野くんと同い年。優しくしてくれる人にもたれかかってしまうので上野くんはそこに対して厳しくなっちゃんと接する。彼女の自立を促すために絣の父が保育園での保母の仕事を与え、彼女自身は気付くのです。子供達が自分を仲間に加えてくれる、何の先入観も持たずに。それが彼女にとって大きなことでした。

人間はこまやかで、だから人間同士はていねいに付き合わなくてはいけない…(一部略)

ていねいにつきあうことは、いいことばっかりじゃなくて、嫌なこともつらいこともあるのに、わたしはそれを抜けることばかりを考えていました。それが恥ずかしい。

少女の器は高校2年生の夏休みに買った本でおそらく主人公絣と同い年だったはず(今や10年ほど前になっちゃったけど)。過去何度も(多分最低でも5回は読んでます…)読んでいてラブ、読むたびに新しい発見がある本なんです。自分が高校生のときに感じなかったことを社会人の今になって感じる、とかそういう本。きっと自分が40、50になったらもっと違う発見が出来そうな本だと思います。まだまだたくさん紹介したい内容があるのだけど、今回読んで一番心に残ったところのみ書いてみました。

人と付き合うって本当に難しい…いろんな価値観があって合う人、合わない人もいます。でも最初っから人を拒否していたら何も始まらないんですよね。
初めは受け入れてみて、一度付き合ってみる(恋愛に限らず対人関係でね)って大切な気がする。

それって私自身に足りない部分なんですが…落ち込み

人と人が付き合うって難しい。なっちゃんはいろんな要因で病気になってしまったのだけど、彼女がそれに気付いたところで物語は終わっています。

何か、大切なことに気付かされる部分のように思い、いつも私はここの部分を繰り返し読み返してしまいますキラキラ