レイトショーで見に行ってきました。一言で言うと「一度は見ておきたい戦争映画」。で、映画見てない方に申し訳ありませんが、多少ネタバレあります。ご了承ください。

本屋さんでは、戦艦大和を作るのにどれだけの苦労を費やしたか、という本が並んでいるし、広島・呉に「大和ミュージアム」ができたことで、戦争を肯定している、と誤解を招くのではないか、というような記事を過去に見たことがありました。なので、戦艦大和がかっこいい、とか憧れの気持ちってのは正直ないです。軍艦を作る技術が素晴らしいとか、そういう考えは持っていないし、持ちたくないなぁ…

映画を見たら、全くそんな観念(ヤマトがかっこいい、戦争肯定とか)起こりませんでした。戦艦大和の乗組員になることに憧れて新しく入ってくる10代の若い少年。しかし乗組員になったら、お国のために命を投げ出すということが当然、という観念を植え付けられてしまう。がどういうことなのか、自分の身に降りかかる事がどういうことなのか、分かっていない。でも、みんな「死ぬのは怖い」。いくら戦争だから、といってもいざとなれば生きたい、死ぬために戦って何の意味があるのか、という葛藤も出てくる。神風特攻隊によく似ているような気がしました。

で、昔「バトルロワイヤル」の映画があったけど、この映画が戦争になんとなく通じているような気がしました。この映画も一回見たらもう見たくないくらい私にとって衝撃的っていうかショックだったんだけどYAMATOとバトルロワイヤルの戦闘シーンって似てる気がしました。なんていうか、酷い、という面で。

YAMATOが沈没させられて、ほぼ全滅の状態になった中で乗組員の中には生きて帰ってこれる人もいました。しかし生きて帰って来れたのに、罪悪感を感じてしまう世の中。
その乗組員はそのお母さんに対して

「生きて帰ってきてごめんなさい、ごめんなさい

と頭を下げて謝り始める。それを見たお母さんは彼に

「あんた、生きなさい。死んだらいけんよ、生きるんよ」

と言っていたのがすごく印象的でした。ちょっとここ、ネタバレっぽくて映画を見ていない人、ごめんなさい。ここがかなり感動させられました。なんで無事に帰ってきて嬉しいはずなのに、罪悪感を感じなきゃいけないの、酷いよ、と1人怒りを感じたし、とてもつらいシーンでした。

一緒に映画見に行った友達と「戦争経験した人にとってはつらいかもね」と話しました。
かなりリアルに書かれていて思い出すのがつらい人ももしかしているのかな、と思ったりしました。

私、今の年齢(20代半ばです…)になってやっと理解できそうな内容な気がした。というのは過去、私は小、中学生時代にやたらと「平和学習」と称して戦争の勉強、修学旅行は平和学習、遠足は原爆資料館(過去、3度は学校行事で行きました)と、もううんざりしてしまったことがあるんです。広島の人間だからそういった勉強はするべきだと思うけれど、学校側のやり方にうんざりさせられてしまって。

県外の近畿の友達が「平和学習って大切やで、そういった勉強があるから日本は平和なんや」と言った時、申し訳なかったです。映画館には若い人からご年輩の方まで幅広い層の方々がおられました。みんな、興味あるんでしょうね。一度は見ておきたい映画のように思います。私も一緒に行った友達も「見てよかった」と思いました。

最後に。私は広島が地元なので映画中の「広島弁」を聞くとなんとも「あまいね、広島弁はこんなん違うわいね。もっと自然にやってくれんといけん~」とちょっと突っ込みたくなってしまいました(余計なことでした、すいません…)