こちらの話はアンが1巻でクイーン学院を卒業してアヴォンリーの小学校にギルバートの気遣いを受けて赴任、という話から始まる。そこでやっかいな一人暮らしのハリソンさん、そして親戚が亡くなったドーラとデイビーという6歳の双子、隣人に40歳の独身者ミス・ラベンダーとの出会い、小学校での子供たちとの出会いなど、1巻より少し大人なアンに会える。
で、ハリソンさんは60代のおじさんで生活がだらしなく、周りには忌み嫌われているおじさんで、イヤミなオウム、ジンジャーと暮らしている。アンはそのオウムに「赤毛のあまっちょめ」と言われてしまい、ハリソンさんがいかにこのオウムに悪口を吹き込んでいるのかわかるのだ。そのハリソンさん、実は妻がいて周りは「独身者」だと思っていたし、本人もそう思っていたのに妻が出戻ってくるのだ。すると荒れたハリソンさんの生活は一気に小奇麗に。ハリソンさん、素敵な奥さんがいたなんて、と思った。
そしてドーラとデイビーの話。ドーラはいい子でおとなしいのだが、デイビーはいたずら好きでドーラにいたずらしては喜んでいる。デイビーはすごく愛される男の子なのだが、ある日、アンにいたずらを問いただされたところ「僕は絶対にいたずらしていない」と言う。しかし、実はデイビーがいたずらをしていたことが判明する。アンはその時、6歳のデイビーが嘘をついた、という事実にひどく失望するのだ。アンはデイビーに特に子供のしつけをしている。もちろんドーラに対してもしてるけど。子供に対する愛情を感じた。
小学校で教えている子供の中に「ポール・アービング」という想像力豊かの男の子との出会いがある。デイビーを叱る際によく「ポール・アービングはそんなことをしません」と言うのだが。そしてアンは「ミス・ラベンダー」という40代の独身女性に出会う。彼女は25歳の時に婚約していた男性がいるのだが何か原因で婚約破棄になってしまう。それから独身を貫いているのだが、40代なのに素敵なオールドミスなのだ。彼女はいつでも恋愛ができるような姿でシャーロッタ4世という14歳の女の子と生活をしている。それが実はポール・アービングのお父さんと25歳の時に婚約していて、それが破棄になっていたことが判明。ポールはお母さんを亡くしているがミス・ラベンダーに自分の母に近い感情を持つのだ。これはもう物語だからありえる話だと私は思うんだけどね。そしてお父さんとミス・ラベンダーは意気投合して結婚してしまうのだ!!ちょっと話がうまくいきすぎなんじゃないかって思うのよね…でもロマンスが成就するって素敵よね。このミス・ラベンダー(後にミセス・アービング)の話は私はすごく好き。
ギルバートはアンからそのロマンスを聞いた時、

「ミス・ラベンダーとアービングさんの結婚の話は美しいと思うよ。でもね、もしもぜんぜんはなればなれにならずに行き違いなどもなかったら…もし二人が手に手をたずさえ共に味わった思い出だけをあとに残しながら生涯を送ったとしたらそのほうがいっそう美しくはなかったろうか」

とアンに言うのだ。アンはその時、まさにbrush upしてしまう。ミス・ラベンダーはアービングさんと25の時に婚約していたのに破棄になって、アービングさんはその後別の女性と結婚する。子供を授かったが奥さんに立たれ、その後に再会して結婚になったのだ。それがもし、行き違いなどなかったら、とアンに言ったのだ。ギルバートにとってその相手はアンということを
指してるんだけど。このエピソードも私自身までbrush upしちゃったよ。

そんなアンの青春でした。ちょっと恋愛色が濃いくなったけど、私がそういう部分ばかりpick upしたせいかもしれない。3巻の方がよほど恋愛色が強くなるし。1巻のアンは一番純粋よね。だんだん恋愛の話になっていく過程を感じた2巻でした。